1. 火災保険は「2つ」を分けて考える
誤解が多い点:「家が保険に入ってる=家の中の物も全部出る」とは限りません。
2. 何がカバーされる?(ざっくり全体像)
火災保険の中身は会社・プランで差があります。ここでは“考え方”として、よくある分類で整理します。
よくある補償の箱
- 火災・落雷・爆発:基本として含まれることが多い
- 風災・ひょう災・雪災:台風・強風・積雪など(条件が付くことがある)
- 水濡れ:給排水管の事故など(「水害」とは別のことが多い)
- 盗難:侵入盗・持ち出し等(対象・上限に注意)
- 破損・汚損:うっかり壊した等(入っていない契約もある)
- 水害:洪水・高潮など(付帯しないと対象外のことがある)
ポイント:「水濡れ」と「水害」は別物として扱われることが多い、という理解が大事です。
3. 境界線(ここで揉めやすい)
火災保険は“言葉”が似ていて誤解が起きやすい分野です。判断のコツは「原因」と「契約の箱」を分けることです。
① 水濡れ vs 水害
注意:同じ「水」でも扱いが変わるため、契約上の区分確認が重要です。
② 風災(台風)でよくある論点
- 飛来物で窓が割れた:風災に入っていれば対象になることが多い
- 雨が吹き込んで室内が濡れた:原因が“破損(窓破損等)→雨侵入”なら対象になりやすいが、状況次第
- 経年劣化で隙間から雨漏り:対象外になりやすい(劣化・メンテ不足扱い)
③ 破損・汚損(入っていない契約も多い)
例:「子どもがテレビを倒した」「誤って洗面台を割った」など。 便利ですが、保険料が上がる原因にもなるので、必要性を見極めます。
4. 超重要:地震は火災保険だけでは出ないことが多い
5. 保険金が「満額にならない」典型パターン
- 免責金額(自己負担)がある:一定額までは自己負担
- 支払限度(上限)がある:家財・盗難などで上限が設定されることがある
- 古い物の評価(時価):新品価格ではなく、経年を考慮した評価になる場合がある
- 損害範囲の認定:写真・見積・原因説明で差が出ることがある
6. 契約を見直すときのチェック(5分でOK)
- 建物だけ?家財も入ってる?
- 風災は入ってる?(台風・強風・雪)
- 水害は入ってる?(洪水・高潮・土砂)
- 免責金額はいくら?
- 支払限度(上限)は十分?
コツ:「何が入っているか」より先に、何が入っていないかを確認すると早いです。
7. 請求の流れ(事故後に迷わない)
早く・正確に進めるコツは「証拠」と「時系列」です。難しい書類より先に、まず写真です。
基本の手順
- 安全確保(二次被害の防止)
- 写真を撮る(全体→近接→型番/被害箇所)
- 保険会社へ連絡(いつ・どこで・何が起きた)
- 見積を取る(修理業者・復旧業者)
- 必要書類の提出(案内に従う)
- 査定→支払い
写真の撮り方(失敗しない)
- 全体:家の外観、部屋全体、被害範囲が分かる写真
- 中距離:壊れた窓、濡れた床、天井のシミなど
- 近距離:割れ・欠け・変形、浸水ラインなど
- 型番/銘板:家電・設備(家財請求で強い)
- 日付のメモ:撮影日が分かる形で保存(スマホの日時も)
8. よくある誤解(ここだけ押さえる)
- 誤解:「火災保険=水害も当然入る」 → 付帯の有無で変わる
- 誤解:「建物に入ってる=家財も出る」 → 別契約のことが多い
- 誤解:「地震の火災も火災保険でOK」 → 地震保険が必要なケースが一般的
- 誤解:「古い家電も新品価格で出る」 → 評価(時価)で変わる場合
9. よくある質問
Q. 台風で雨漏りした。出ますか?
「原因」がポイントです。風で屋根や窓が破損→そこから雨が侵入のように、 風災として整理できると対象になりやすい一方、経年劣化や施工不良が主因と見なされると対象外になりやすいです。 写真(破損箇所・侵入口・室内被害)と時系列が重要です。
Q. 給排水管の漏水と洪水、同じ「水」なのに違うの?
はい。多くの契約では水濡れ(内部事故)と水害(自然災害)は別の箱です。 契約に水害が付いていないと、洪水・高潮・土砂などは対象外のことがあります。
Q. マンションの火災保険は「どこまで」が建物?
一般に、共用部分(外壁・廊下等)と専有部分の区分があり、契約の設計が変わります。 迷ったら「専有部分=室内側の仕上げや設備」を基準に整理し、管理組合側の保険との分担を確認します。
10. 次に読むべきページ
火災保険が理解できると、他の保険も「境界線」で読めるようになります。