結論:保険は「突発・偶然の事故」が中心。劣化の“修理”は原則別枠。

経年劣化・老朽化は火災保険で出ない?(対象外の境界線と例)

火災保険で一番多い混乱は「壊れた=保険で直る」と思ってしまうことです。 保険は、基本的に突発・偶然の事故をカバーし、時間をかけて進む経年劣化・自然消耗は対象外になりやすい。 このページは、その“境界線”を具体例で整理します。

火災保険(全体) 請求の流れ 台風(風災) 水害(水災) 災害後チェック
重要:ここは「一般的な考え方」です。実際の判断は、あなたの契約内容(約款・特約・免責)と事故状況で変わります。 わからない用語は Glossary.html で確認してください。

1. いちばん大事な1行

保険の中心:「突発・偶然の事故」
対象外になりやすい:「経年劣化・老朽化・自然消耗(時間の問題)」
※ただし、劣化があっても「事故のきっかけ(外力)」が明確な場合は話が変わることがあります。

2. 境界線の考え方(事故 vs 劣化)

事故(保険の中心) ある時点で起きた出来事(突発・偶然)。例:台風の飛来物で窓が割れた、落雷で家電が壊れた 等。
劣化(対象外になりやすい) 時間をかけて進む変化。例:防水の寿命、コーキングのひび割れ、錆、腐食、目地の劣化 等。
揉めるパターン 「劣化があった場所に、事故が重なった」ケース。ここで“原因の筋”が重要になります。

3. 具体例(よくあるケース)

雨漏り

劣化だけ(防水寿命・目地の劣化)だと対象外になりやすい。 ただし台風の外力で破損→雨侵入の筋が立つと整理が変わる可能性がある。

漏水(配管)

配管の寿命・腐食の“更新”は対象外になりやすい。 ただし「突然の破断」など、事故として整理される可能性がある部分もある。

外壁・屋根の傷み

塗装の寿命や、日射・風雨での徐々の劣化は対象外になりやすい。 一方で、台風の飛来物・落下物など「きっかけ」があると整理が変わることがある。

カビ・腐食

発生まで時間がかかるものは、劣化や管理状態として扱われやすい。 ただし「事故後の二次被害」として説明できるかがポイントになることがある。

4. 写真の撮り方(劣化と言われたくないときの型)

「劣化か事故か」は、説明より先に写真の並びで決まりやすいです。 基本は 全体原因近接時系列

  • 全体写真:建物外観/部屋全体(被害範囲が分かる)
  • 原因箇所:破損箇所・侵入口(「ここが起点」と示す)
  • 近接:割れ・欠け・変形・飛来物痕など
  • 時系列メモ:いつ発生し、いつ気づいたか(1行でOK)
  • 応急処置:処置前→処置後、領収書保存
最短ルート:現場で迷ったら Disaster_Claim_Checklist.html の順番通りでOKです。

5. 伝え方の型(強い説明は短い)

何が起点か 「台風の強風で○○が破損し、その後雨が侵入した」など、原因→結果を1文で。
いつ起きたか 発生日・気づいた日時(曖昧なら「○日朝」でも良い)
応急処置 何をいつしたか。処置前後写真・領収書。
修理見積 「一式」より項目が分かれると説明が速い。

6. よくある質問

Q. 雨漏りは火災保険で出る?出ない?

「雨漏り」は原因が混ざります。防水の寿命など劣化だけだと対象外になりやすい。 一方で、台風などの外力で破損→雨侵入の筋が立つと整理が変わる可能性があります。 まずは Fire_Typhoon_Coverage.html を参照してください。

Q. 劣化が少しでもあると全部ダメ?

すべてが一律に決まるわけではありません。ポイントは「今回の損害の起点が何か」。 だからこそ、全体→原因→近接の写真で、原因→結果の筋を作ることが重要です。

Q. どうしても納得できない場合は?

まずは「理由(どの条項/条件で判断したか)」を確認し、追加資料が必要なら提出します。 その際も、写真の順番と時系列(いつ何が起きたか)が核になります。 手順は Fire_Claim_Process.html を参照してください。

7. 次に読むべきページ

要点:「壊れた=保険」ではなく、「事故(突発)か、劣化(時間)か」を分けて考える。 迷ったら写真の順番(全体→原因→近接→時系列)に戻る。